個人進度別教育支援システムMESIA

概要

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CAIと教師が実時間で協調して教育を行うことで, 1人または少数の教師で多数の学習者に対し, 従来の集合教育よりもきめの細かい教育を提供する教育支援システムを提案する.本システムでは, 課題の説明や演習問題の答え合わせなどほとんどの学習をCAIにより自動化し, 学習者は教師の存在を意識せず自分のベースで学習を進行させる.ただし, 学習中, 演習問題を正解できないなど学習を進行できない状態(高原状態)になるとただちに教師から適切な支援を受けることで学習を円滑に進行させることが可能となっている.そのために, MESIAではネットワークを介して学習者の学習状況をつねに監視しており, 学習者が高原状態になるとすぐにシステムがその学習者を抽出し, 学習状況を示すいくつかのデータ(演習の解答や質問の履歴)とともに教師へ通知する.教師はそれらのデータをもとに学習者個々の状況を把握して, 学習者の理解状況に応じた適切な支接を即座に提供する.このように, MESIAでは自動化可能な学習をCAIで提供し, 高原状態などで人間の教師の能力を必要とするような場合には, 即座に教師にその学習者の情報を渡して学習者を支援する.この結果, 教師は教師の支援を必要とする学習者の教育だけに集中することができ, その効率化された分, 学習者個々に対しきめの細かい教育を提供することが可能となっている.この教育支援システムの有効性を確かめるためにWWWシステムを用いて実装し, 実教育環境において実験を行った.その結果, 1人の教師で20人以上の学習者に対し実時間で学習者個々の学習状況に応じたきめの細かい教育支援を実現できたことを確認した.また, 4人の教師と40人の学習者に対して実験後行ったアンケートでは, 学習者から従来の集合教育と比較して集中できる, 楽しいなど学習効果が高いと評価され, 一方, 教師からはきめの細かい教育ができたなど教育システムとして高い評価を得た.
社団法人情報処理学会の論文
2000-08-15

個人進度別教育支援システムMESIA

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