例題中心学習における教材の知識構造の複雑さと理解の困難さとの関係
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概要
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例題中心の教材を用いて学習していく場合を対象に, 教材の知識構造の複雑さを計測する方法を新たに提案し, この方法で計測した複雑さを理解の困難さに定量的に関連づけることを試みている. 教材の知識の複雑さは, 命題を変形させて新たに定義する情報素という単位で計測する. この情報素とは教材の説明の中で学習者にとって自明でない命題のみを抽出したものである. また命題間に因果関係が存在する場合は, その因果関係における前提条件の数が知識構造の複雑さに影響を及ぼすと考え, ここではその前提条件の数を情報素の属性(ここではそれを情報素の次元と言う)として採用し, 知識の複雑さの計測に反映させる. また教材の理解の困難さは演習問題の誤り率で指標化する. そして一つの学習項目の理解は, その学習項目に含まれるすべての情報素を誤りなく理解したときに初めて達成されるとする直列モデルを提案し, このモデルに基づいて知識の複雑さと学習の困難さとを定量的に関連づける. 次にC言語用の教材を用いた学習実験によって提案モデルを検証し, その妥当性を示す. また実験結果から, 前提の数が多い情報素が数多く存在するほど埋解が困難になることを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-11-25
著者
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