xが小さい場合の不完全ガンマ関数Γ(ν, x)の数値計算
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
不完全がンマ関数Γ(ν, x)について, ν≧0かつ正数xが小さい場合の新しい数値計算法を提案している. Γ(ν, x)は, Γ(ν, x)=Γ(ν)e^<-x>{e^x-x^νΣ^^∞__<k=0>x^k/Γ(k+1+ν)}と表すことができる. この式の括弧内において, e^xを級数展開し, 適当に項をまとめ, その項の桁落ちを生ずる部分を所要の精度を有する近似式で計算することにより, Γ(ν, x)の値を精度良く, しかも能率的に求めている. たとえば, 0≦ν<1では, ν=0を中心とする展開として得られるΓ(ν, x)=Γ(1+ν)e^<-x>Σ^^∞__<k=0>{A_k(ν, x)+B_k(ν, x)}により計算を行う. ただし, A_k(ν, x)の式中には, そのまま式どおりに計算を行うと桁落ちを生ずる関数(1/k!-1/Γ(k+1+ν))/νを含むが, その値は, その関数の最良近似式により計算する. また, B_k(ν, x)には, Φ(ν, x)=(1-x^ν)/νを含むが, そのまま計算すると桁落ちを生ずるときには, f(t)=(e^t-1)/tなる関数の最良近似式により, Φ(ν, x)=-f(νln x)ln xとして計算を行う. このようにすれば, Γ(ν, x)の値を精度良く計算することができる. 本方法は, Gautschiの方法(本方法より能率的であるが, xの適用範囲が狭い)と併用すると能率的である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1982-09-15
著者
-
二宮 市三
名古屋大学
-
吉田 年雄
中部大学
-
二宮 市三
名古屋大学工学部情報工学科:(現)中部大学経営情報学部
-
二宮 市三
名古屋大学工学部
-
吉田 年雄
名古屋大学工学部電子工学科
-
吉田 年雄
中部大学工学部
-
吉田 年雄
中部大学工学部情報工学科
関連論文
- 応用数理の遊歩道(20) : 流体力学からブール代数へ
- 三角関数の三項漸化式による傾斜楕円の高速生成法(コンピュータグラフィックス,インタラクションの理解とデザイン)
- {\boldmath $\tau$}法による{\boldmath$x$}が大きい場合の{\boldmath$x\{J_{\nu}^{2}(x)+Y_{\nu}^{2}(x)\}$}の数値計算
- NFLR数値積分法へのコーシー主値積分処理の追加
- 立方根の有理関数近似
- 正弦三項漸化式による円と楕円の高速生成法
- 二宮法とFLR法の結合による新しい適応型積分法(アルゴリズム論)
- 応用数理の遊歩道(23) : 数値計算にこと寄せて
- 応用数理の遊歩道(22) : 計算機とともに
- 応用数理の遊歩道(21) : 電子計算機との出会いからゾロタレフの遺産まで
- ポーランド旅行記
- NetNUMPACの現状と今後の展開について
- WWWを使用したNUMPAC案内システム -NetNUMPAC-
- 数学ソフトウェアパッケージのWWW上での案内システムの作成
- 3項漸化式の最小解に対する安定な算法
- 不規則分布二変数関数データに対するC^k級補間法
- 適応型ニュートン・コーツ積分法 (数値計算のアルゴリズムの研究)
- 数学ソフトウェアと教育 (数学的ソフトウェアの評価)
- 等差数列的に標本数を増す補間的自動積分法
- Mathematical Software (数値解析とコンピューター)
- 漸近級数域での諸関数の計算法 (数値計算のアルゴリズムの研究)
- 漸化式を用いる複素変数のベッセル関数I_n(z)の数値計算
- 数学ライブラリNUMPAC
- xが小さい場合の一般化された余弦積分関数∫^∞_xt^cos tdtおよび正弦積分関数∫^∞_xt^sin tdtの数値計算
- xが大きい場合の不完全ガンマ関数Γ(ν,χ)の数値計算
- xが大きい場合のベッセル関数Y_ν(x)の数値計算
- 複合多項式の計算法
- 複合多項式による関数近似
- xが小さい場合の不完全ガンマ関数Γ(ν, x)の数値計算
- xが小さい場合のベッセル関数Y_ν(x)の数値計算
- 数学ソフトウェアの現状と問題点 (数値計算の動向)
- $x$が小さい場合の不完全ガンマ関数$\Gamma(v,x)$の数値計算 (数値計算のアルゴリズムの研究)
- xが大きい場合の変形ベッセル関数K_ν(x)の数値計算
- 大型機の標準関数と連立一次方程式解法サブルーチンの性能比較 (数値計算のアルゴリズムの研究)
- 適応型ニュートン・コーツ積分法の改良
- xが小さい場合の変形ベッセル関数K_ν(x)の数値計算
- ニ次元フーリエ展開におけるN $\log_2$ N個の係数の選択的計算法 (数値計算のアルゴリズムの研究)
- B-splineによる補間スプラインの算法
- 二変数補間スプラインの算法と誤差解析
- τ-methodによる複素変数のベッセル関数K_n(z)の数値計算
- 無限級数の和を単項で表すことを試みるMathematica数式処理プログラム--一般化された超幾何級数の和の定理の応用
- 漸化式を用いる積分⎰^x_0J_v(t)/tdtの数値計算法の誤差解析
- 漸化式法で求められるベッセル関数を用いるsinχとcosχの数値計算法の誤差解析
- 漸化式を用いる積分∫^x_0J_v(t)/tdtの数値計算法の誤差解析
- 漸化式を用いる変形ベッセル関数$\mathit{ I }_v(x)$の数値計算法の誤差解析(数値計算アルゴリズムの研究)
- 漸化式を用いるベッセル関数J_v(X)の数値計算法の別法の誤差解析
- 漸化式を用いるベッセル関数$J_v(x)$の数値計算法の誤差解析(科学技術における数値計算の理論と応用II)
- γ法によるxが大きい場合のクンマー関数U(a,b,x)の数値計算
- 漸化式を用いるベッセル関数の積分 ∫^x_0J_v(t)dt の数値計算法の誤差解析
- 漸化式を用いるベッセル関数I_ν(x)の数値計算法の誤差解析
- 複素変数zのエアリー関数Ai(z),Bi(z),Ai'(z),Bi'(z)の数値計算
- 漸化式を用いるベッセル関数I_υ(x)の数値計算法の誤差解析
- 級数の和の公式を求める手法の研究
- ベッセル関数に関連する有限級数の和の公式
- 漸化式を用いるベッセル関数J_n(x)の繰返し積分の数値計算法の誤差解析(次世代移動通信ネットワークとその応用)
- ベッセル関数に関連する有限級数についての恒等式
- 数値計算のつぼ(2) sin30=1.293213×10^4?
- ベッセル関数に関連した有限級数についての研究
- ベッセル関数に関連する有限級数の和
- ベッセル関数に関連する有限級数の和の公式
- 一般化された超幾何級数の和の定理の応用(その2)
- 2A-1 漸化式を用いるベッセル関数の積分の誤差解析における一般化された超幾何級数の和の定理の応用(HPCと仮想化技術,一般セッション,アーキテクチャ)
- 平方根のための有理近似と改良ニュートン法 (近似計算とシミュレーションによる近似解法研究会報告集)
- 平方根の有理関数近似
- ベッセル関数とベッセル関数の級数の積の変形から得られる一般化された超幾何級数の和の公式
- 漸化式を用いる特殊関数の数値計算法
- 第19巻の発刊にあたって
- 漸化式を用いる不完全ガンマ関数γ(ν,x)の数値計算法の誤差解析
- 漸化式を用いる特殊関数の数値計算法
- ?法によるxが大きい場合のx{J?[v](x)+Y?[v](x) }の数値計算
- コンピュータ・プログラミングの教育について