xが小さい場合のベッセル関数Y_ν(x)の数値計算

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第2種ベッセル関数Y_ν(x)について, ν≧0かつ正数xが小さい場合の新しい数値計算法を提案している. Y_ν(x)の定義式Y_ν(x)=(J_ν(x)cosνπ-J_<-ν>(x))/sinνπに, 第1種ベッセル関数J_ν(x)およびJ_<-ν>(x)の級数展開を代入し, 適当に項をまとめ, 桁落ちを生ずる部分を所要の精度を有する最良近似式にて計算することにより, Y_ν(x)を精度良く, しかも能率的に求めている. たとえば, 0≦ν≦0.5では, Y_ν=(x)=Σ^^∞__<k=0>{A_k(ν, x)+B_k(ν, x)}/(sinνπ/ν)により計算を行う. ただし, A_k(ν, x)の式中に含まれる関数(1/Γ(k+1-ν)-cosνπ/Γ(k+1+ν))/(k!ν)は, そのまま式どおりに計算を行うと, ν≓0で桁落ちが生ずる. そこで, この関数に対する最良近似式を新たに作成し, その近似式を用いて計算することにより, その関数値を桁落ちなしで求める. また, B_k(ν, x)に含まれるφ_1(ν, x)=((x/2)^<-ν>-1)/νおよびφ_2(ν, x)=(1-(x/2)^ν)/νは, (x/2)^νが1に近い場合には, 右辺の式のとおりに計算すると桁落ちが生ずる. そのときには, f(t)=(e^t-1)/tなる関数の最良近似式を用いて, φ_1(ν, x)=-f(-νln(x/2))ln(x/2), φ_2(ν, x)=-f(νln(x/2))ln(x/2)として計算を行うことより, φ_1(ν, x)およびφ_2(ν, x)を桁落ちなしで求める. このようにすれば, Y_ν(x)の値を, 精度良く, しかも能率的に計算することができる.
一般社団法人情報処理学会の論文
1982-05-15

xが小さい場合のベッセル関数Y_ν(x)の数値計算

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