部品・装置・方式比較から見た情報システム開発の課題

概要

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青色発光ダイオードの例を持ち出すまでもなく,部品材料分野では,わが国が比較的高い技術競争力を保っている。これに対して,システム技術,とりわけソフトウエア技術分野では,その競争力には疑問が残る。そこで,情報処理技術関係を中心として,部品・材料,装置,システムの各分野毎に,事例(ケース)分析を行なう。そして,その結果,『組織の枠を越えた全体最適化を無意識に忌避しており,結果として,孤立システムを作りたがるのではないか?』との一つの仮説を導く。部品材料分野でも,プロセスイノベーションは多くても,本質的に新しいものが弱いように感じられるのも,この組織の枠に起因する可能性がある。更に,『日本は標準化に弱い』と言われるが,組織運営にその起源があるとするなら,『標準化の重要性,技術的効果』を技術者の立場から解くだけでは現状は打破できない。希望が無いわけではない。プロジェクトマネージメントの重要視は,このような『全体最適化』のひとつの現れと感じられる。ただし,プロジェクトマネージメントを導入すべきは,ソフトウエアの製造工程ではなく,孤立システムをつくりがちな業務組織全体である。
2004-11-17