HMGの律動的皮下投与による排卵誘発

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1日当りHMG(Pergonal)75IU/日,150IU/日を90分間隔で1日16回微量注入ポンプ(ニプロSP-3I)を用いて律動的に下腹部の〓下皮下に投与し排卵誘発を行った. 対象は,卵巣楔状切除後排卵のないPCO 3例6周期,Am II 4例4周期で,Am I 1例1周期を除き,すべて排卵し,PCO 1例が妊娠(単胎)した. 排卵迄のHMG投与日数,HMG総投与量は150IU/日投与では,M±SD=15.2±5.0日,228±744IU,75IU/日投与では39.5±11.4日,3900±1357IUと150IU/日投与の方がHMG投与日数,投与量ともに少なく,150IU/投与の方が実用性高いことが証明された.また従来のHMG連日筋注法と150IU/日律動的皮下投与法との間にはHMG投与日数,投与量ともに差はなかった. BBT高温日数は,黄体期中期迄HCGを投与した例では,14.0±2.3日,HCGを投与しない周期では12.6±1.5日と黄体期にHCGを投与しない周期では,黄体期が短縮する傾向がみられた. 卵巣過剰刺激症候群は1例認められたが,入院,経過観察にて自然に軽快した.その他副作用はみられなかった. 以上,本法は(1)従来の連日筋注法と同様の高い排卵率を示し,(2)副作用少なく,(3)筋注投与より疼痛少なく,(4)連日通院の必要なく,2〜3日おきの通院でよく,(5)翼状針を患者自身で刺入,抜去することにより入浴可能,日常生活,通勤,通学可能で,睡眠中も律動的に投与可能,等のすぐれた長所を有し,今後新しい排卵誘発法として発展しうると思われる.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1985-07-01

HMGの律動的皮下投与による排卵誘発

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