β-subunit hCGのRadioimmunoassayによるヒト着床期より分娩後にいたる血中hCGの動態
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概要
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ヒトの黄体化ホルモン(LH)とは免疫学的交叉性がなく,胎盤の絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)のみに特異性の高いhCGのβ-subunit radioimmunoassayを用い,ヒトの着床期より産褥期までの血中のhCGを分析した.妊娠前,少なくとも4周期以上,27〜30日周期を有した正常妊婦112名,健康男子2名をその対象とした.測定方法はNIAMDより提供されたhCGのβ-subunit (CR 115 B)に放射性ヨードを標識し,同じくhCG (CR 115, 1ng=4.9mIU of the 2nd International Standard hCG)を標準とする通常の二重抗体法によつた. 健康男子に0.1mgの合成LH-RFを静注投与すると15〜30分後に血中LHは著明な上昇を示したが本法によるhCGはほとんど検出不能であり,このradioimmunoassayがLHに干渉されないことを証明した.着床期のhCGは推定排卵日より起算して20日以後に高値を示す例が多かつた.妊娠6〜40週の間では10週前後にきわめて高い値(4,500ng/ml serum)を示し15週以後は次第に減少し500〜1,000ng/mlの間を上下し,妊娠末期の34〜38週にやや上昇し分娩に至るものが多かつた.産褥期の血中hCGは分娩後急激に消失せず,分娩後120時間を経ても血中に検出することが可能の例もありhCGの半減期の長いことを証明した.LHの干渉をうけないβ-subunit hCGのradioimmunoassayは将来のhuman reproduction, chorionic diseaseの貴重な指標の1つとなるものと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-05-01
著者
-
推名 正樹
東京歯大市川病院
-
飯塚 理八
慶応義塾大
-
大野 虎之進
東京歯科大市川病院
-
玉置 文一
放射線医学総合研究所
-
大野 虎之進
東京歯科大学
-
牧野 恒久
東京歯科大学産婦人科学教室
-
推名 正樹
慶応義塾大学医学部産科婦人科学教室
-
推名 正樹
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
牧野 恒久
東京歯科大学
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