Two step LH-RH testによる黄体機能不全症解析の研究
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概要
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黄体機能不全症の中枢, 特に視床下部下垂体系の機能を研究するため, 100μgのLH-RHを60分間隔で2回負荷するtwo step LH-RH testを黄体機能不全症29名, また, 黄体機能不全症に類似するとされる, 自然流産後の最初の黄体期10名および産褥期12名の婦人に実施して, 正常性周期婦人24名と比較検討した. 本負荷試験の結果得られる下垂体前葉のbiphasicな反応からその評価は初回のLH-RH負荷による血清中gonadotropin濃度増加分をΔ_1, 2回目の負荷によるより大きな増加分すなわち self-priming effectをΔ_2, Δ_2/Δ_1をΔ_1Δ_2 ratioとして行い, 次のような結論を得た. 1. 黄体機能不全群では, 対照群に比しΔ_1が有意に大きくΔ_2に有意差がない. すなわち, 初回の刺激に対するgonadotropin放出能が著明に亢進している反面self-priming effectは同等に保たれているといえる. この傾向は各subunitにも認められる. 2. 黄体機能不全群における血清中P, E_2, PRL濃度は対象群におけるそれらの濃度と有意差がないが, 黄体機能不全群では血清中PおよびE_2濃度の低い症例ほどΔ_1が大きいという, より特徴的なパターンを示し, これらのhormoneが黄体機能不全に深く関与する可能性が認められた. 3. 自然流産後の最初の黄体期では本負荷試験は対象群と有意差がなく, すでに下垂体機能がかなり回復していることを示した. 4. 産褥1週間前後の症例は本負荷試験に対して反応せず, 妊娠の影響による下垂体の極度の抑制を示すが, 産褥1カ月前後の症例は特にFSHが典型的な黄体機能不全症に比較的類似したパターンを示し, 妊娠が下垂体に与える影響が, 黄体機能不全のそれと一部類似する可能性を示唆した. 以上より, two step LH-RH testは今後の黄体機能不全症研究あるいは臨床等において有用である可能性が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1988-02-01
著者
-
飯塚 理八
慶応義塾大
-
林 保良
川崎市立川崎病院
-
福岡 一樹
聖母病院
-
林 保良
慶応義塾大学 産婦人科
-
小林 淳一
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
飯塚 理八
慶應義塾大学医学部産婦人科
-
高橋 守
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
牧野 恒久
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
福岡 一樹
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
末包 博昭
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
横倉 恒雄
慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
-
末包 博昭
慶応義塾大学 産婦人科
-
横倉 恒雄
東京都済生会中央病院
-
飯塚 理八
慶慮大
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