Radioimmunoassay (RIA)による合成LH-RF負荷時の血中LH-RF及びLHの動態の研究

概要

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黄体化ホルモン放出因子(LRF, LH-RF)に対する鋭敏でかつ特異性の高いRadioimmunoassay (RIA)を用いて,健康成人男子を対象として,外因性に投与された合成LH-RFの血中における消退と同時に下垂体前葉より放出されたLHの血中における動向を検討した. 合成LH-RF 200μgを静注投与した際の血中LH-RFのレベルは投与後2.5分で最高値(平均35.0ng/ml血清)を示し,以後急激に減少して,投与後30分で平均1.0ng/ml血清の低値となつた.この際の外因性のLH-RFの血中よりの消退は投与後2.5〜15分で最も迅速(t^<1/2>=3.9分)で,投与後15〜30分で最も緩徐(t^<1/2>=7.9分)であつた. これに対して,合成LH-RF 200μgを筋注投与した場合には,LH-RFの血中レベルは投与後2.5分よりわずかに血中に出現するのみで,最高値(投与後10分)でも1.6ng/ml血清の低値を示すに過ぎず,ゆるやかな曲線を描いて血中より消退した. 一方,血中LHレベルは合成LH-RF200μg静注あるいは筋注投与例共に投与後5分より有意に上昇を続け,両者間にはほとんど差を認めなかつた. なお,合成LH-RF負荷前の血中内因性のLH-RF値は本研究においては測定感度(10pg/tube)以下であつた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1975-06-01