Low Density Lipoprotein の黄体細胞内 Cholesterol に対する影響と Progesterone 産生の動態について : ヒト黄体細胞単層培養法を用いて
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概要
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卵巣黄体での steroidogenesis におけるリポ蛋白の役割を解明する為、lipoproteinpoorserum(LPPS)をmediumとして使用し、ヒト月経黄体単層培養系を用いてLPPS単独培養時、humancholionicgonadotropin(hCG)添加時、lowdensitylipoprotein(LDL)添加時における黄体細胞のprogesterone(P)産生能の変化、ならびに黄体細胞内cholestero1量を比較検討した。1)P産生。(1)LPPS単独培養にLDLを添加した時、LDL200μgprotein/mlでP産生は最大値をとった。(2)LPPS単独培養群及びhCG100ng/ml添加群でP産生は漸減傾向を示したが(p<0.05)、hCG添加群で有意に高値を示した(p<0.05)。(3)LDL200μgprotein/ml添加群及びLDL200μgprotein/ml+hCG100ng/ml添加群でP産生は高値を持続したが、両者の間に有意の差は認められなかつた。2)細胞内cholesterol量。(1)LPPS単独培養4日群は10日群に較べ高値を示した(p<0.05)。(2)10日間培養でhCG非添加群はhCG100ng/ml添加群に較べ高値を示す傾向がみられたが、有意の差は認められなかった(p<0.1)。(3)10日間培養でLDL200μgprotein/m1添加群は非添加群に較べ高値を示した(p<0.05)。以上の成績より、LDLは黄体細胞における細胞内 cholesterol の供給源として、また産生するPの基質として利用されている事が明らかとなつた。そしてLDL欠乏時に、黄体は細胞内cholesterolを利用して少ないながらP産生を維持している事も明らかとなり、hCGはその利用を促進している可能性が示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-02-01
著者
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