永久歯平均喪失年齢の年次推移における男女差について

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昭和32年から昭和56年までの計5回の歯科疾患実態調査資料について, 正規確率紙の原理を応用する方法により歯種別永久歯の平均喪失年齢を推定し, また, 一人平均喪失歯数, 処置歯数並びに未処置歯数を算出し, それらの年次推移について比較検討して以下の成績を得た。歯種別永久歯における平均喪失年齢の年次推移については男女間に相違があった。男性では昭和56年に最高値を示した下顎第一大臼歯を除いて昭和32年が最高値, 昭和38年に最低値を示した下顎第二大臼歯を除いて昭和50年が最低値で, 最高値と最低値の差は1.04〜4.75歳に及び, その後, 昭和56年における全歯種の平均喪失年齢は昭和50年の値より0.67〜2.99歳上昇した。一方, 女性においては, 昭和32年に最低値を示したが歯種が上顎第一大臼歯と下顎の第二小臼歯及び第一, 第二大臼歯, その他の歯種は全て昭和38年が最低値であり, その後, 全体として上昇傾向に転じ, 昭和56年が最高値で, 最低と最高値の差は2.16〜5.77歳に達した。年齢階級別の」人平均喪失歯数は, 男女共に各調査回毎に全体として減少する傾向を示し, その程度は男性が0.04〜1.19歯, 女性が0.05〜1.41歯であった。年齢階級別の一人平均未処置歯数も男女ともに逐次減少する傾向を示し, 男性は0.02〜0.45歯, 女性は0.01〜0.54歯の範囲で毎回減少した。年齢階級別の一人平均処置歯数については, 昭和32年より各調査回毎に男女とも常に増加し, その増加量は男性が0.05〜1.58歯, 女性が0.01〜2.66歯であった。以上の成績から, 永久歯平均喪失年齢の年次推移が男女でかなり異なる傾向を示した原因としては, 歯科保健状態の改善における男女間の差が関与しているのであろうと推測した。
東北大学の論文
1989-12-28

永久歯平均喪失年齢の年次推移における男女差について

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