ラットにおけるフッ素とアルミニウムの生体への吸収とトランスフェリン結合型アルミニウムについて
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概要
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フッ素およびアルミニウムは食品,医薬品,また歯磨剤などに含まれ,ヒトが経口摂取することの多い元索である。この2つの元素は化学親和性が強く,相互作用を考慮した生体利用率の研究が必要である。フッ素とアルミニウムを,ラットに同時経口投与した場合と,各元素を単独投与した場合の血清中国元素濃度を経時的に観察・比較した。その結果,同時投与群において,血清中フッ素濃度はフッ素単独投与群より低くなり,血清中アルミニウム濃度はアルミニウム単独投与群より高くなった。次に,フッ素とアルミニウムの溶旅中での錯体構成比の理論値から7組の投与条件を設定し,投与30分後の血清中フッ素およびアルミニウム濃度を比較したところ,フッ素はアルミニウムの吸収を促進し,アルミニウムはフッ素の吸収を抑制している可能性が示唆された。また,投与溶液中のフッ化アルミニウム(AIF_3)錯体の存在比が高いときに,血清中アルミニウム濃度が有意に高くなることから,フッ素のアルミニウム吸収促進作用には,中性分子であるフッ化アルミニウム(AIF_3)錯体が関与していると考えられた。さらに,循環血液中のアルミニウムの主な存在形態であるトランスフェリン結合型アルミニウムを,抗体アフィニティカラムを利用し分別測定した結果,アルミニウムと同時にフッ素を投与した場合には,血清中のトランスフェリン結合型アルミニウムの割合が減少していることが示された。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 2000-04-30
著者
-
田浦 勝彦
東北大学歯学部附属病院予防歯科学
-
佐藤 誠
株式会社システック環境研究所
-
四ツ柳 隆夫
宮城工業高等専門学校
-
楠本 雅子
Pmj木町通デンタルクリニック
-
楠本 雅子
東北大学歯学部
-
四ッ柳 隆夫
東北大学大学院工学研究科
-
坂本 征三郎
東北大学歯学部
-
佐藤 誠
(株)シノテスト相模原研究所
-
田浦 勝彦
東北大学歯学部附属病院予防歯科
-
佐藤 誠
東北大学
-
坂本 征三郎
東北大学歯学部予防歯科学講座
-
四ッ柳 隆夫
東北大学大学院工学研究科応用化学専攻分子システム化学講座応用計測化学分野
-
田浦 勝彦
東北大学歯学部予防歯科学教室
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