一農村地区の40〜69歳成人における齲蝕, 歯周疾患ならびに欠損歯の補綴状況について

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宮城県の一農村地区住民813名(男性358名, 女性455名)を対象に, 視診型歯科検診を行ない, 齲蝕, 歯周疾患, 歯の喪失状況と欠損歯の補綴状況について, 以下の成績を得た。一人平均現在歯数は40〜49,50〜59,60〜69歳の各年齢階層で24.57歯, 19.33歯, 13.32歯と漸減し, 男性は女性より有意に多かった。一方, 平均DF歯数は女性の方が男性より統計学的に有意に多かった。次に, 歯周疾患の有病状況は40〜60歳代の各年齢階層の男女合計のP.I.値は3.41,4.45,4.53と高く, 高度に進行した歯周疾患を有する者が多かった。性別では, 男性のP.I.値が女性のそれよりやや高かった。一人平均喪失歯数は40歳代で4.58歯, 50歳代で9.44歯, 60歳代では15.15歯であり, 永久歯の約半数を喪失していた。歯種別の喪失歯率については, 大臼歯が50%台と高く, 次いで小臼歯で40%台の値を示し, 前歯や犬歯は低かった。しかしながら, 欠損歯の補綴状況については, 前歯や犬歯の補綴歯率は90%以上であり, 小臼歯が80%台でこれに続き, 咀嚼上重要と思われる大臼歯の補綴歯率は50〜60%台と低かった。以上から, 本調査対象である壮年期以降の成人において, 高度齲蝕や進行した歯周疾患に基因する歯の喪失は増齢的に増加しているために, これらの疾患の治療対策を勧める一方, 補綴歯率の低い臼歯については, 欠損部の補綴処置を行ない, 咀嚼機能の回復を図る必要があると考えられた。
東北大学の論文
1986-06-25

一農村地区の40〜69歳成人における齲蝕, 歯周疾患ならびに欠損歯の補綴状況について

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