宮城県内幼稚園児の齲蝕有病状況と歯科受診ならびに歯科医師への要望との関連について

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宮城県内の4幼稚園(3園は都市部,1園は郡部)の5歳児327名を対象に,乳歯齲蝕の有病調査および齲蝕に関連する生活習慣,歯科受療状況,歯科医師への希望と園児に必要な歯科知識に関する事項について保護者に対して質問調査を行った。各幼稚園の齲蝕のない者の割合は21.4〜57.6%,平均dftは2.93〜7.06であった。これらの値について,齲歯の最も多い園(郡部)と他の3園間に統計学的に有意差が認められた。齲歯の最も多かった園では,就寝前の間食習慣のない者はある者より有意に齲歯が少なかった。また,歯痛経験と歯科受診をクロス集計したところ,双方とも有群は他の組合せの場合より有意に齲歯が多かった。園児の歯について保護者が歯科医師に希望する項目として,「特にない」をあげた保護者は88名(26.9%)であり,この群の園児の平均dftは3.31と最低であった。「歯の磨き方を教えてほしい」,「歯にフッ素を塗ってほしい」,「むし歯を防いでほしい」の保健予防項目を選んだ保護者が修復処置を希望する者を上回った。以上から,幼稚園5歳児に至っては,その乳歯齲蝕有病状況は過去の生活習慣に依存していた。また,保護者の歯科医師への要望と予防への関心は乳歯齲蝕有病率の高さに起因すると考えられた。したがって,非都市型の幼稚園では年1回の定期歯科健診と予防指導の他に,より頻繁に保護者ならびに地域住民への適切な歯科保健知識の提供が大切であることが示唆された。
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
1999-04-30

宮城県内幼稚園児の齲蝕有病状況と歯科受診ならびに歯科医師への要望との関連について

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