Gel-stabilized cellsを用いた新しいin vitroの齲蝕モデルとエナメル質の脱灰の観察
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概要
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この研究の目的は,1)gel-stabilized cellsを用いたエナメル質の脱灰を認べるための単純なin vitroの齲蝕モデルを確立し,2)アガロース中にlive cells, killed cells を含む,またアガロースのみの人エプラークを用いた各条件下で,細菌の酸産生による,あるいは人工的な脱灰液によるエナメル質表面でのpH変化を観察し,形成された各脱灰病変の違いを調べることである。Streptococcus mutansのliveあるいはkilled cells, あるいはアガロースのみからなる人エプラークをエナメル質表面上に置いた。エナメル質表面でのpH変化をFET電極を用いて連続的にモニターした。 Killed cellsを用いた群とアガロースのみを用いた群ではエナメル質表面でのpH変化と,インキュベーション後の微小硬度に有意差はなかったが,前者では後者に比べて,SEMおよびMR観察によりエナメル質表面が維持されているのが観察された。このモデルによって,エナメル質の脱灰に影響を及ぼす因子として,細菌の酸産生性のほかに細菌の,歯質ミネラルの拡散に対するバリヤーとしての機能を含めることが可能であった。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1997-07-30
著者
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