水晶温度計を用いた昭和基地での地中および海水温度の精密連続測定(英文)
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概要
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8カ月間の地中温度連続観測が, 昭和基地の20m岩盤ボーリング孔を用いて行われた。特別に設計された水晶温度計による観測の結果, 深さ5mでは-4.89℃から-10.36℃(変動幅5.47℃)の間で正弦関数的な変動を示すことがわかった。上記の変動幅は10mの深さでは1.58℃(-7.73℃∿-9.31℃)となり, 20mの深さでは0.20℃(-8.17℃∿-8.37℃)となる。気温の季節変動にくらべ地中温度の極大, 極小の表れる時期には位相の遅れが生じるが, その値は深さ5mで約90日, 深さ20mでは約290日に達することがわかった。また, 気象変動が地中温度に及ぼす影響に, 指数関数的な減衰をあてはめると33.8mの深さで0.01℃の変動幅におさまるはずである。海水温の連続測定も6カ月間にわたり, オングル島西の浦の海氷下7mの海水中で行われた。それによると6月上旬の-1.63℃から11月下旬の-1.48℃まで大体0.9×10^<-3>℃/日の割合で海水温は上昇した。さらに上記の傾向にかぶさるように10-30日の短かい周期を持つ0.05-0.10℃の変動が認められ, それは突然温度が上昇し, その後ゆるやかに下降していくパターンの繰り返しで特徴づけられる。
- 国立極地研究所の論文
著者
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神沼 克伊
国立極地研究所
-
長尾 年恭
東京大学地震研究所
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渋谷 和雄
国立極地研究所
-
神沼 克伊
極地研
-
渋谷 和雄
(独)電子航法研究所:国立極地研究所
-
渋谷 和雄
国立極地研
-
長尾 年恭
千葉大学理学部
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