重力から見た昭和基地周辺の地形の特徴 -特に大陸氷床下の基盤地形について-
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概要
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第22次観測隊で行われた昭和基地周辺の重力測定結果からreduced gravity anomalyを求め, 基盤岩地形との相関係数を計算して, 重力から見た基盤岩地形および上部地殻構造の特徴の比較を試みた。比較した地域は, リュツォ・ホルム湾内の露岩地域, 海氷上, やまと山脈地域内の露岩地域, そしてアイスレーダーで氷厚の示されている昭和基地-みずほ基地ルートの一部地域である。結果は露岩地域, 海氷上では, いずれも予想されるとおり, 地形との正の相関が示された。しかし, 昭和基地-みずほ基地ルートでは, データのばらつきが大きく, しかも負の相関を示した。このことは, アイスレーダーで示された基盤岩地形を重力測定結果から解釈すると, モホ面が水平でなく, かつ凹凸していることに相当する。しかし, 他の地域ではそのようなことはなく, これはアイスレーダーの反射記録の解釈に原因があるのかもしれない。
- 国立極地研究所の論文