2. おいしさの原点と展開の諸相(<特集>おいしさのスケール確立に向けて)
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概要
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人が食べるということは生きるための本能的欲求を満たす行為であるとともに本能を超えて人間として生きるための行為であるが、そのなかで引きおこされる快の感覚や感情がおいしさである。その背景には生得的な感覚の快と、環境や文化のなかで獲得される快、無意識の深層心理など無数の要因が働いている。筆者らは人が実際に食べて感知したことを言葉や数によって出力させる官能評価によって大勢の人の感覚を測定し、食嗜好や食行動についての意識調査と併せて考察をおこなっている。人がもっとも基本的な伝達手段で出力するものを、集団特性として捉えるときに浮上してくる快の感覚や意識の構造のなかに普遍的、法則的なものを捉えようとするのが筆者らの目的である。ここでは人が原初から感じるおいしさの原点に立ち返り、そこから展開されるおいしさの構造と現代のおいしさが向かっている方向や問題点について具体例をあげ探ってみたい。
著者
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玉木 有子
新潟医療福祉大
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山口 静子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科
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山口 静子
味覚と食嗜好研究所
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山口 静子
東京農業大学
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玉木 有子
東京農業大学応用生物科学部栄養科学科
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山口 静子
東京農大
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玉木 有子
東京農業大学応用生物科学部
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