2. おいしさと生きること(<総説特集>おいしさと健康)
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概要
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おいしさは快の感覚であるが、快には本能的な快から宗教的法説までさまざまな種類がある。人は五感に導かれて食を摂る。感覚の仕組みが、よりよく食べるためにいかに合目的的に創られているか、その例を味でみる。食物の味は無数のせいぶんからなっている。脳の神経系はそれらの味覚情報を効率的に処理するために、有用な物質がバランスした状態を一つのまとまりとして快と感じさせ、突出したものを区別するように構築されていると考えられる。快の状態とは、どの味とはいえない無数の味の弱い成分が融合した味の広がり、まろやかさ、持続性である。その快の概念はいかに獲得されるのか、またその状態を引きおこす中心の味物質は何で、どのような働きをするか、などを考察するなかで、人はよりよく生きるために、いかに食べるべきかのヒントを探る。
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