逆受身赤血球凝集反応による腸炎ビブリオ腸管病原毒素(神奈川溶血素)の検出法,ならびに本法による各種分離株の毒素産生性の再検討
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概要
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腸炎ビブリオの産生する腸管病原毒素(神奈川現象にあずかる耐熱性毒素)の検出法として,抗毒素血清より得た特異免疫グロブリンを用いた逆受身赤血球凝集反応法を開発した。本法の毒素検出感度は1ng/mlであつた。本法を用いて,各種分離菌株の本毒素産生性について再検討をおこなつた結果,ヒト胃腸炎由来菌株では,神奈川現象陰性とされたもの,あるいは溶血が弱く判定が困難であつたものの大部分が微量ながら本毒素を産生することが確認された。すなわち,本毒素を産生する菌でも,その量がある程度以上でなければ神奈川現象陽性の結果をうることができないことが明らかにされた。しかし,海産物など自然界由来菌株では,本法を用いても培養上清中に本毒素を証明することはできなかつた。以上の所見より,神奈川現象ににあずかる毒素の腸炎ビブリオ腸炎の下痢発現における役割についても論じた。
- 日本細菌学会の論文
著者
-
伊藤 武
東京都立衛生研究所
-
坂井 千三
東京都立衛生研究所微生物部
-
大橋 誠
東京都立衛生研究所
-
工藤 泰雄
東京都立衛生研究所
-
太田 建爾
東京都立衛生研究所・微生物部(現環境科学コーポレーション)
-
丸山 務
東京都立衛生研究所
-
太田 健爾
東京都立衛生研究所微生物部
-
津野 正朗
東京都立衛生研究所
-
太田 建爾
東京都立衛生研究所微生物部
-
坂井 千三
東京都立衛生研究所
-
津野 正朗
東京都立衛生研究所微生物部
-
太田 建爾
東京都立衛生研究所
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