コレラ菌の毛細血管透過性亢進因子産生におけるcAMP依存性
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概要
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コレラ菌の毒素産生とcAMPの関係を,三つの測定法(ラテックス凝集反応,CHO細胞法,皮膚毛細血管透過性亢進試験)を用いて再検討した。その結果,コレラ毒素産生にcAMPは必須なものではないことを明らかにすると同時に,本実験に使用したエルトール型コレラ菌E2株およびそのcAMP変異株E2751株は,コレラ毒素とは異なる皮膚毛細血管透過性亢進活性を持つ物質(Permeability Increasing Factor;以下PFと略)を産生していることを見出した。この物質は,DEAEセファセルカラムクロマトグラフィーにより,コレラ毒素と分離することができた。分離されたコレラ毒素とは異なる透過性亢進活性を示す画分(PF画分)を用いて調製した抗体(抗PF画分抗体)は,血管透過性亢進試験において,コレラ毒素の活性は中和せず,PF画分の活性のみを中和した。逆に抗コレラ毒素抗体は,コレラ毒素の活性は完全に中和するが,PF画分の活性は,まつたく中和しないことから,両者は,免疫学的にもまつたく異なる物質であることを明らかにすることができた。
- 日本細菌学会の論文
著者
-
松下 秀
東京都立衛生研究所微生物部
-
大橋 誠
東京都立衛生研究所
-
伊藤 輝代
順天堂大学 医学部 細菌学教室
-
伊藤 輝代
順天堂大学 細菌
-
工藤 泰雄
東京都立衛生研究所
-
松下 秀
東京都立衛生研究所
-
太田 健爾
東京都立衛生研究所微生物部
-
横田 健
順天堂大学
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