各種材料から分離した Yersinia enterocolitica 血清型O3株の保有する44Mdプラスミドとカルシウム依存性および自己凝集性との関連
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概要
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1972〜1984年までの間にヒト, ブタ, イヌ, ネコ, ドブネズミおよび豚肉から分離されたY. enterocolitica 血清型O3株, 合計207株を用いて約44Mdプラスミドの検出, カルシウム依存性および自己凝集性の有無を調べた。プラスミド保有株, カルシウム依存性株おとび自己凝集性陽性株はそれぞれ164株(79.2%), 152株(73.4%)および149株(72.0%)であった。プラスミド保有株はカルシウム依存性あるいは自己凝集性陽性であった。プラスミド非保有株のうち4株(1.9%)が自己凝集性陽性を示し, 残りはすべてカルシウム非依存性で自己凝集性も陰性であった。Y. enterocolitica は由来が異なるにもかかわらず, 44Mdの単一のプラスミドを保有していた。これらのプラスミドの制限酵素切断パターンは等しく, BamHI, EcoRI および HindIIIでのフラグメント数はそれぞれ9, 10および13であった。これらのことより, Y. enterocolitica血清型O3の保有する約44Mdのプラスミドは, 由来が異なってもカルシウム依存性や自己凝集性と密接な関係にあり, このプラスミドが血清型O3に固有であることが示唆された。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-04-15
著者
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