発熱試験の粘弾性的取り扱い : ゴム試験法の粘弾性的研究 (第4報)
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概要
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発熱試験によってえられる温度上昇, Δ<I>T</I> (ヒート・ビルド・アップ) の問題をレオロジーの立場で考察し, 次のような理論式をえた.<BR>Δ<I>T</I>= (<I>Bf</I>″/<I>A</I>) [(1/2) ωγ<SUB>0</SUB><SUP>2</SUP><I>E<SUB>v</SUB></I>″ (ω, <I>T</I><SUB>1</SUB>)] {(1-<I>ν<SUB>e</SUB></I>) / [1-(<I>ν<SUB>e</SUB></I>/0.74)]<SUP>2.5</SUP>} <BR>ここにω, γ<SUB>0</SUB>および<I>E<SUB>v</SUB></I>″(ω, <I>T</I><SUB>1</SUB>) はそれぞれ振動の角周波数, ひずみ振巾および複素弾性率の虚数部分である.<I>B</I>, <I>f</I>″ および<I>A</I>はそれぞれ試料内の温度分布, <I>E</I>″ の非線型性および発熱量と温度上昇との間の比例関係に関する係数で, いずれも試料群を実用試料の範囲に限定すればある範囲の値に集中すると期待されるものである.<I>ν<SUB>e</SUB></I>は充てん剤の容積分率, <I>ν<SUB>1</SUB></I>と比例関係にある有効容積分率である.<BR>各種のゴム試料についてグッドリッチ・フレクソメーターによって実験し, ΔTが本質的にω, γ<SUB>0</SUB><SUP>2</SUP>および<I>E</I>″ にそれぞれ直接比例するものであることを示した.<BR>工業技術的見地から上式をもとにした一般性のある実験式として次式, <BR>Δ<I>T</I>=<I>c</I> (1-<I>bν<SUB>1</SUB></I>) [(1/2) ωγ<SUB>0</SUB><SUP>2</SUP><I>E<SUB>ν</SUB></I>″ (ω, <I>T</I><SUB>1</SUB>)] <BR>を得た.ここに係数, <I>b</I>の値は2.37であり, また比例係数, <I>c</I>の値は1.1×10<SUP>-6</SUP> (deg・cm<SUP>3</SUP>・sec/erg) であった.この実験式の精度の目安をうるために68個の試料からえられたデータについて計算した変動係数の値は, 0.4であった.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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