ゴムの極限伸張比と分子の剛さとの関係
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概要
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Flory らによれば「橋かけ点間にあるセグメントの数をnとすると, その極限伸張比αCが√nにひとしくなる」ことが証明されている. しかし, 橋かけ点間のセグメント数, nを測定する方法が現在のところないようである. そこで各種ゴムを橋かけし, 温度を変えて伸びを測定し極限伸張比を求めた. 一方, 膨潤度測定から橋かけ点間分子量MCを, 応力-複屈折測定から分子の剛さZを求め, 橋かけ点間のセグメント数を推論した. その両者を比較し検討した結果, 極限伸張比が√nに比例することを認めた. ただし, MCが大きいところでは√nより極限伸張比αCが小さいことがわかった. したがってゴム分子は極限伸張比が測定される温度ではかなり伸びきってから切断するものと考えられ, その伸張比αCは1.2√MC/MZで示された. ここでMはモノマー相当単位の分子量, Zは応力-複屈折から求めた分子の剛さの尺度であり, ポリマーの構造が決まればほぼ計算されるものと考えられる.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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