J1ファージ感染Lactobacillus casei菌細胞のファージDNAの定量
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概要
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J1ファージ感染L. casei菌細胞では,ファージDNAの合成に並行して,宿主菌DNAの合成が続く.したがって,ファージDNAの合成あるいはそれに対する化学物質の影響について研究するに際しては,菌のDNAと分別してファージDNAの定量する必要があった.紫外線を照射した宿主菌のファージ合成能について検討のうえ,適当な条件さえ選べば,不完全殺菌線量の紫外線を照射し,菌DNAの合成を停止させた細胞にファージを感染させ,合成されるファージDNAを定量する方法が,本菌-ファージ系に適用できることを示した.紫外線照射による菌DNAの合成停止は,照射後培養することによって表われる菌DNAの崩壊をともなった.このDNAの崩壊は,培養開始時に抗生物質を添加することによって,抗生物質の種類・量によって程度の差はあるが,抑制された.これらのことは,各実験ごとに必ずファージ添加以外は,同一条件で同一時間培養するブランクを置き,菌DNA量の基準とする要があることを示した.なお,本研究を通じて, J1ファージの増殖は,宿主依存性が高いということが判明した.
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