培養液濃度がトマトの収量と品質および養液成分の濃度変化に及ぼす影響
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概要
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水耕トマトの5段摘心栽培において摘心後に培養液濃度を高め養液成分の濃度変化および果実収量と品質について調査した. また苗齢の違いと養液成分の濃度変化の関連性についても検討した.1. 定植から摘心までは園試1/2倍濃度で栽培したが, この間のEC値, 硝酸態窒素, カリ, リン濃度は常に低下し, カルシウムとマグネシウム濃度は比較的安定していた. 摘心後に培養液を同じ1/2倍濃度に更新するとカリとリンを除いてどの成分濃度も上昇傾向に変わり,EC値も常に上昇した. カリ濃度の変化は小さかったが,リン濃度の変化は大ぎく培養液補給時にゼロになることもしぼしぼあった. 園試標準濃度ではリンを除いてすべての成分濃度が上昇した. また園試3/2倍濃度と高くすると成分濃度の変化域はさらに大きくなった.2. 異なる苗齢において園試1/2倍濃度の変化を調べたところ, 硝酸態窒素, カルシウムについては70日苗で低下し, 105日苗で安定し, 125日苗で上昇した, カリとリンの濃度はどの苗齢でも低下する傾向にあった. マグネシウム濃度は70日苗で安定していたが, 105日苗と125日苗では上昇した. 成分(n′)と水(w′)の吸収量から算出した値(n′/w′)は硝酸態窒素, カルシウムおよびマグネシウムで苗齢の小さいときには当初の培養液濃度より高く, 苗齢の大きいときは低くなった. リンとカリのn′/w′は苗齢に関係なくほぼ一定で培養液濃度より常に高かった.3. 摘心後に培養液を園試3/2倍濃度(EC2.9)まで高めると, 1/2倍濃度および標準濃度に比べて果実のBrix および滴定酸度が高まった. この場合, 果実収量は若干低下したが, 裂果や尻ぐされ果の発生は少なくなった. 以上の結果より, 摘心後に培養液濃度を高めれば収量に大きな影響を及ぼす事なく果実の品質を高め得るものと推察された.
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