生体上および人工培地上でのタマネギ花床からの子球再生
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概要
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生体上, および人工培地上で, タマネギ花床からの子球再生の過程を組織学的に観察した.本実験でのタマネギ子球再生は, 生体上では, 2週間の間に数回小花と小花柄を切除し, その間連日6-ベンジルアデニン (BA) 10ppm 水溶液または水を散布することにより得られた. BA処理は水処理にくらべ, 子球数はほとんど同じだが, より大きな球を再生した. 再生の過程を組織学的にみると, 処理終了時には小花柄基部や花床から不定芽が分化しており, その不定芽はりん葉を形成しながら5週間後には子球となり, 花床から離脱する. 離脱直後の子球は, 7月のハウス内の自然条件下ではほう芽が悪いが, 5°Cのおがくず内ではよくほう芽することから, 相対的休眠状態にあると思われる.人工培地上での培養は, 花床を2または4切片に切断し, 変型ムラシゲ•スクーグ培地に植付けることによりおこなわれた. これらの培養物は, 25°C, 16時間人工光照明下におかれた. 培地へのNAAとBAの添加により, より多くの小植物体が再生された. この再生過程を組織学的にみると, 若令の小花内の花の器官原基は葉に変形する. また生長した小花を切除して植付けた花床から不定芽が分化し, それが葉を形成して小植物体となった. これらすべての小植物体の葉基部は, 植付30〜90日後に肥厚してりん葉となった. りん葉の形成のためには, 若い花床から再生した小植物体ほど長期間を要した.小花のみを植付けた時には, 先ずカルスを形成し, ガルスから小植物体が再生した.培地中に添加したNAAとBAの濃度により再生される小植物体数が異なり, NAA 1ppm 添加ではBAの濃度が高くなるほど小植物体数は増加し, NAA 10ppmではBAの濃度が高くなっても小植物体数は増加しなかった.
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