タマネギの球形成と休眠時のアブサイシン酸の消長および in vitro 培養での球形成
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概要
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タマネギの生長点, 葉, りん茎, 根のなかに存在するアブサイシン酸 (ABA) をECDガスクロマトグラフィーで同定した. さらに生育期間中および貯蔵中の, 各器官の内生ABAレベルを測定した. ABAは, いずれの器官にも存在し, 特に生長点部分に高濃度で局在し, 他の器官の約2倍見られた. 生長とともにABA濃度は変化し, 球形成とともに増加が始まり, 倒伏時に最高濃度になった. 貯蔵中に徐々に濃度が低下して, 1か月後に最低になった. その後ほう芽の開始とともに再び濃度の増加が見られた.タマネギの無菌小植物を, 植物ホルモンを添加したMS培地で培養したところ, NAAとBA添加により球形成が促進され, ABAやGA3添加では影響を受けないかむしろ抑制的であった.これらの結果から, タマネギに関してはABAは直接的な球形成ホルモンではなく, むしろ生長や休眠に深く関与するホルモンであると考えられる.
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