シソ科ハーブ類のカルス培養およぴ植物体再分化
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概要
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ハーブの新しい植物育成のための細胞融合や遺伝子導入の基礎技術として、カルス培養の方法を検討した。材料として、カルス培養の為に、8品種のバジルおよび6種類のシソ科ハーブを用いて実験した。得られた結果は次の様であった。1:植物ホルモンの効果 カルスは、無菌実生の胚軸および子葉をMS培地に0.1mg/ℓの2,4-DとBAを添加した培地で培養することにより効果的に形成され、また同じ組成の培地または3mg/ℓ 2,4-Dと0.1mg/ℓ BA添加培地継代することにより高い増殖率を示したが、植物体は再分化しなかった。植物体の再分化は上記の材料を0.1mg/ℓ のNAAと0.1または1.0mg/ℓのBAを添加した培地で培養することにより、カルスおよび不定根または不定芽を再分化することができたが、カルス形成は2,4-D添加培地に及ばさなかった。培地添加サイトカイニンとしては、カルス形成のためには2ipが大きなカルスを形成したが、植物体の再分化のためにはBAしか効果がなかった。2:植え付け外植体の差 無菌培養した実生の発芽1から3週間後の胚軸を外植体とした時、カルス形成には大きな差は見られなかった。無菌実生の1週間後の胚軸、根、子葉を外植体とした時、子葉が最も重いカルス形成し、次いて胚軸であった。3:8品種のバジルのカルス形成と不定芽再生2,4-Dと2ip添加培地でカルスの形成が最もよかったのはレタスバジルで次いでアニスバジル、レモンバジル、プッシュバジル、スイートバジル、パープルラフレスバジル、ダークオパールバジル、シナモンバジルの順で、レタスバジルはシナモンバジルの3.3倍の重さがあった。NAAとBA添加培地では、カルスはいずれの品種でも形成されたが、不定芽が再生されたのはスイートバジル、ダークオパールバジル、ブッシュバジルであった。4:6種のシソ科ハーブのカルス形成いずれの種類もカルスは形成されたが、スイートバジルに比較して生体重は軽く、アカジソがかろうじて匹敵するくらいで、アオジソ、レモンバーム、ペパーミント、スイートマジョラムの順に軽くなり、特にスイートマジョラムは形成外植体率も低かった。 Effective methods of callus culture of herbs were studied to establish basic techniques for cell fusion and gene engineering. Eight basil cultivars, five species of Perilla family and a sweet basil were used, and following results were obtained. 1: Effects of phytohormones on callus formation. Callus formed effectively from hypocotyls and cotyledons of sterile seedlings cultured on MS medium supplemented with 0.1mg/12,4-D and BA. Plantlets succeeded in regenerating from callus cultured on MS medium supplemented with 0.1mg/I NAA and BA, but callus formation on a similar medium was inferior to that on MS medium supplemented with 2,4-D and BA. Callus formed best on MS medium supplemented with 2ip, among other cytokinins, but only BA actually induced regeneration of plantlets from callus. 2: Effects of age and different organs of explants on callus formation. Callus with similar weight formed from hypocotyls of young seedlings about 1-3 weeks after germination. The heaviest callus formed from cotyledons, followed by hypocotyls and roots. 3: Callus formation and regeneration of adventitious buds in eight basil cultivars. Calli formed cotyledons of lettuce basil, Anise basil, lemon basil, bush basil, sweet basil, purple raffles basil, dasil opal basil and cinnamon basil, in descending orderof weight, on MS medium supplemented with 2,4-D and 2ip. Callus from lettuce basil was three times as heavy as that from cinnamon basil. Callus formed on MS medium supplemented NAA and BA from cotyledone of all cultivars, but adventitious buds regenerated only from sweet basil, dark opal basil and bush basil. 4: Callus formation from six Perilla herbs. Callus fromed from hypocotyls and cotyledons of sweet basil, red perilla, green perilla, lemon balm, peppermint and sweet majoram in descending order of weight.
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