ナスの胚軸からの耐塩性カルスの選抜
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概要
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ナスの胚軸の切片を種々の濃度のNaClを添加した培地に植え付けて培養した.0.2% NaCl添加培地において,カルスの生体重は,NaCl無添加培地の2分の1になった(Fig.1).1.0% 以上のNaCl濃度では,カルスは全く形成されなかった.そこで,0.8% NaCl添加培地で形成したカルスを,その後のカルス選抜に用いた.0.8% NaCl添加培地で2年間継代培養すると,活発に増殖するカルスが得られた(これをC-0.8とする).さらに,0.8% NaCl添加培地で形成したカルスを1.0,1.2,1.4,1.6とNaCl濃度を上げた培地に順次継代し,1.6% NaCl添加培地でも生存するカルスを作出した(これをC-1.6とする).対照とするカルスには,NaClを含まない培地で2年間継代培養したものを用いた(これをC-0とする). カルスの色は,C-0は白色であったが,C-0.8およびC-1.6は緑色であった.カルスのかたさは,C-0.8はC-0よりやわらかく,C-1.6はC-0よりかたかった.カルスの乾物率は,C-0とC-0.8は差がなかったが,C-1.6は高かった(Table1).0.8% NaCl添加培地では,C-0の増殖は著しく抑制されたが,C-0.8およびC-1.6の増殖はわずかに抑制されたのみであった(Table2). カルスの耐塩性の安定性を調べるため,C-0.8およびC-1.6を60日間NaCl無添加培地に移殖し培養した後,0.8% および1.6% NaCl添加培地にそれぞれ戻した.60日間NaCl無添加培地で培養後も,C-0.8は耐塩性を示したが(Table3),C-1.6の耐塩性は失われた(Table4). 不定芽は,C-0.8を1.0mg/literBAを添加したNaCl無添加培地に移植すると再生した.本実験の結果,ナスのカルスを0.8% NaCl添加培地で継代培養することにより,耐塩性カルスが得られることが分かった。
- 岡山大学の論文
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