ダイコン, キャベツおよびハクサイの種間•属間雑種育成と胚軸カルス培養による雑種植物の増殖
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概要
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ダイコン, 二十日ダイコン, キャベツ, ハクサイ各1品種間の種間•属間雑種を育成し, それぞれの親植物と稔性, 形態的特性を比較した. 受精率は両親に比較して非常に低く, 雑種の形態は両親のどちらかに似た部分と, 中間の部分があり, 変異が見られた.<BR>雑種植物のあるものは不稔のため, 培養による栄養繁殖を試みた. カルス形成のために, 採種した種子の無菌の胚軸を0.1mg/literの2,4-DまたはNAAと1.0mg/literのBAまたはkinetinを組み合わせて添加したMS培地に植え付けた. 植物体再生のために初期培地,またはBAを0,0.1または1.0mg/1iter添加したMS培地に, 1月毎に移植した. カルス形成は両親, 雑種とも2,4-DとBA, またはNAAとBA添加初期培地とその後0.1mg/literBA添加培地に移植することにより形成率, 生体重とも多かった. 両親に比較して雑種ではカルス形成の良いものが多かった. 植物体の再分化は, キャベツとダイコンの属間雑種では初代培養で50~67%, 第1代継代培養で16~66%, 第2代継代培養で10~20%のカルスで苗条再分化が見られた. 一方キャベツとハクサイの種間雑種では初代培養で70%,継代培養で30~60%の苗条再分化が見られた. 両親ではキャベツ親で見られたのみであった. 苗条再分化したものは, いずれもホルモン無添加培地へ移植することにより発根した.<BR>供試した各1品種ずつの親植物の間の雑種植物の栄養繁殖能は両親に比較して高く, 雑種強勢を示した.また実用的にも栄養繁殖が可能であることが分かった.
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