トマト木部いっ泌液における無機成分濃度の日変化およびその濃度に及ぼす光照度と苗齢の影響

概要

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トマトの根かち地上部への養分輸送濃度の日変化ならびにその濃度に及ぼす光照度と苗齢の影響を調べるため, 同一培養液で生育する株を地際より約5cmの部位で切断し1時間木部いっ泌液を採取して主要5成分の無機分析を行った.<BR>1.株を1時間ごとに24時間にわたって切断したところ, いっ泌液量は明け方から増加し始め, 午前9時~正午に最高となった. いっ泌液の硝酸態窒素は濃度変化が最も小さく明け方にわずかに高くなった. リンは濃度変化が最も大きく最高値は最低値の3倍となった. すなわち, その濃度は夕方から急速に上昇し,午後10時頃に最高となり, その後, 徐々に低下して午前10時頃に最低となった. 一方, カリはリンとは対照的に明け方から濃度が上昇し午前10時頃に最高となり, その後, 徐々に低下して午後8時頃に最低となった. カルシウムとマグネシウムは夜間にわずかに高まる傾向にあった.<BR>2.自然光の30%に遮光すると, 処理3時間後の正午には, いっ泌液量が低下し, 成分濃度は無遮光区よりわずかに高くなった. しかし, 午後6時および午前0時にはリンを除いて, どの成分濃度も無遮光区の濃度より低くなった. リン濃度は遮光処理によって常に高まり, 無遮光区との差は時間の経過とともに拡大した.<BR>3.いっ泌液成分濃度の苗齢による差を2,3,4か月齢のトマトで比較した. 同一齢における成分濃度の真昼と真夜中の差は上述1の結果とほぼ一致した.硝酸態窒素, リン, カルシウムおよびマグネシウムの濃度は齢が進むほど低下したが, カリ濃度は, 齢が進んでもほとんど低下しなかった.

著者

桝田正治
岡山大学農学部

トマト木部いっ泌液における無機成分濃度の日変化およびその濃度に及ぼす光照度と苗齢の影響

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