トマトおよびキュウリの真昼と真夜中における木部いっ泌液の無機成分濃度
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
養液栽培のトマトとキュウリの昼•夜における根から地上部への養分輸送濃度を知ろうとして, 春と秋の2回, 午前0時と正午に地際より10cmの位置で茎を切断し1時間木部いっ泌液を採取して無機分析を行った. 培養液は, NO3-N, P, K, Ca, Mg それぞれ16, 4, 8, 8, 4meq/lで, 採取時の生育ステージはトマトが2か月齢, キュウリが1.5か月齢である.1. いっ泌液量は真昼 (液温:26°C) に多くトマトでは真夜中 (同: 20°C) の8〜14倍量, キュウリでは7〜8倍量であった. 硝酸態窒素とカリの濃度は, トマト•キュウリとも夜より昼に高くなる傾向にあった. 一方,リン濃度は夜に著しく高くなり, トマトでは夜は昼の5〜7倍, キュウリでは4〜6倍となった. カルシウムおよびマグネシウム濃度はリンと同様に夜に高くなる傾向にあったが, トマト•キュウリとも夜/昼の値はリンほど高くはなくどちらも2.6以下であった.2. いっ泌液の成分濃度を培養液濃度で除した値をいっ泌液濃縮係数と表現したが, この値が昼夜とも1.0を越すのは硝酸態窒素, リン, カリで, これらは無傷個体の木部液中において常に濃縮されているものと推察された. カルシウム, マグネシウムについては昼に1.0以下となることもあった. 濃縮係数の最大値はトマト•キュウリとも夜のリンでその値は7〜15を示した.3. トマトの茎を切断すると茎内蒸散流速は急激に低下した. その低下率は, 朝夕よりも日中に大きく, 一般に蒸散流速値が大きいほど低下率も大きくなる傾向にあった. 最大減少率は73.2%で, この時のいっ泌液量及び無機成分量は無傷トマトでの移動量の約1/4に相当しているものと推察された.
著者
関連論文
- ホウレンソウの高温30℃での種子発芽に及ぼす酸処理および塩水と海水のプライミング処理ならびに種子再乾燥処理の影響
- ホウレンソウの雌性間性の発現に及ぼす抽だい後の日長の影響
- トマトの昼夜間における根から果房への^Nと^Caの移行
- トマトの栄養特性に関する研究 : (第8報)果柄に処理した^Caの果実への移行
- 2. 野菜における環境負荷低減型灌水法の研究開発(持続可能な社会の実現に向けた環境保全型農業の構築,日本作物学会第224回講演会シンポジウム1,日本作物学会シンポジウム記事)
- 水耕培養液へのNaCl添加による人工光下ホウレンソウの生育促進
- トマトの摘心および果実除去が根の養分吸収と酸素消費に及ばす影響
- トマト雄性不稔の突然変異系統における稔性回復の季節依存性
- トマト品種'ファースト'由来の雄性不稔突然変異系統における成熟花粉の染色特性と不稔性の遺伝様式
- トマト'ファースト'より作出した雄性不稔系統T-4における稔性回復の季節的変動
- アイソザイム多型に基づくメロンF_1種子の純度検定
- メロン ハネデュー' の主枝節上における両性花の発現及び着生果実の形質に及ぼすエセフォンの影響
- ピーマンの結実肥大に及ぼす蛍光灯連続光と暗期中断の影響
- カボチャ属における連続光誘導クロロシス発現の品種間差異と抗酸化酵素活性
- DNAマクロアレイを用いたナス科野菜における連続光応答関連遺伝子の探索
- 光質の異なる蛍光灯連続照明下でのピーマンの生育と乾物生産
- トマト'ファースト'より育成した雄性不稔突然変異系統の葯培養における高頻度カルス誘導およびシュート再生条件
- トマト'ファースト'より育成した雄性不稔突然変異 3 系統の花粉崩壊と遺伝様式
- 蛍光灯の連続照明によるピーマンの生長と着果の促進
- トマト'ファースト'種子へのガンマー線照射によって誘発された突然変異のスペクトラム : とくに葉緑素部分欠損形質について
- ナスとピーマンの乾物生産ならびに葉の光生理障害とSOD活性に及ぼす連続光強度の影響
- 蛍光灯連続光下でのピーマン栽培における循環培養液の濃度・組成およびpHの変化とその管理
- 蛍光灯連続光下でのピーマンの結実肥大に及ぼす炭酸ガス施与効果
- トマトとキュウリの昼夜間における水と養分の吸収について
- ネット型メロン`アールスフェボリット'の2,4-Dによる単為結果誘導ならびに果実の肥大と糖蓄積の様相
- トマト木部いっ泌液における無機成分濃度の日変化およびその濃度に及ぼす光照度と苗齢の影響
- トマトおよびキュウリの真昼と真夜中における木部いっ泌液の無機成分濃度
- 培養液濃度がトマトの収量と品質および養液成分の濃度変化に及ぼす影響
- ホウレンソウ種子の高温発芽に及ほす硫酸処理とPEG-プライミング処理の効果
- フリ-ジア"ロイヤルクラウン"の種子発芽の温度依存性
- NFT水耕トマトの間欠給液およびその液温がチャネル内養液の溶存酸素濃度に及ぼす影響
- トマト胚軸切片の不定芽形成に及ぼすポリエチレングリコ-ルの効果