貯蔵温度が葉菜類のポリアミン含量に及ぼす影響

概要

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貯蔵温度がブロッコリー花蕾部, 千宝菜第4葉およびカイワレダイコン子葉中のポリアミン含量とクロロフィル含量に及ぼす影響を調査した. 得られた結果から, ポリアミン類 (プトレシンおよびスペルミジン)が野菜の新たな鮮度指標として利用できるか否かを検討した.<BR>ポリアミンの分析はポストカラム-HPLCを用いた.この分析法はポリアミンの回収率が高く (94.5~105.2%), また, 試料の過塩素酸抽出と組み合わせることで容易に分析できる利点があった.<BR>20°および30°C条件で, ブロッコリー花蕾部およびカイワレダイコン子葉のクロロフィル含量は貯蔵中に減少し, これに伴いプトレシンおよびスペルミジン含量も減少した. しかし, 2°Cではクロロフィル含量の減少が非常に緩やかであるにもかかわらず, プトレシン含量は増加していた. 一方, 千宝菜は, クロロフィル含量が減少した23°Cにおいても, 2°C条件と同様のプトレシン含量の増加が認められた.<BR>以上のようにポリアミン含量は葉菜類の貯蔵条件や種類で大きく変動しているため, ポリアミンを野菜の共通の鮮度指標として採用することは無理があると考えられる.