ハローセン肝障害に及ぼす各種抗痙攣剤投与の影響についての検討
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概要
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各種抗痙攣剤のハローセン肝障害に及ぼす影響について検討を行った.まずハローセン麻酔を施行した脳外科手術症例279例を術前フェノバルビタール(PB)投与群と非投与群に分け,術後肝障害発生頻度について比較した.その結果,PB投与群では100例中9例に,非投与群では179例中2例に認められ,PB投与群で肝障害発生率が有意に(p<0.005)高かった.更にラットを用い,各種抗痙攣剤(PB, valproic acid (VA), diphenylhydantoin (DPH))のラット肝障害,薬物代謝能に及ぼす影響について検討した.各薬剤前処置後にハローセン麻酔を施行したところ,PB群でS-GPT値の上昇と中心静脈周囲の肝細胞壊死が認められたが,他群では認められなかった.また肝小胞体分画のチトクロームP450値,肝小胞体によるハローセン還元代謝産物産生量もPB群で最も高い値を示した.以上の結果より,ハローセン麻酔前にPB投与を行うと,他薬剤に比し,還元代謝産物の産生量が増え,ハローセン肝障害発生率が高まることが示唆された.
著者
-
野村 文夫
千葉大学医学部
-
大西 久仁彦
千葉大学医学部第1内科
-
飯田 真司
千葉大学医学部第1内科
-
奥田 邦雄
千葉大学医学部 第一内科
-
波多野 等
千葉大学医学部第1内科
-
斉藤 正之
千葉大学医学部第1内科
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