HBe抗原陽性慢性肝疾患に対するプレドニゾロン-Ara-A併用療法の試み-特にHBVマーカーの変動に関して-
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概要
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HBe抗原陽性慢性肝疾患の治療法として抗ウイルス剤であるAra-Aの効果を調べるため,著者らは,ステロイド離脱に引続きAra-Aを投与する組合せ療法と,Ara-A単独投与と比較して検討し,Hepatitis B Virus関連マーカーの変動を主に観察した.肝生検にて確定診断されたHBe抗原陽性慢性肝疾患患者29名を対象とし,10名にAra-A単独療法,9名にステロイド-Ara-A療法,10名を対照群とし血中HBs抗原価,HBe抗原抗体反応,DNA-P活性を経時的に測定した.HBe抗原はAra-A単独群では10%に,ステロイド-Ara-A群では67%にRIA法で消失をみた(p<0.05).またAra-A投与にてDNA-P活性の有意の低下(p<0.05)及びHBs抗原価の低下傾向が認められた.Ara-A投与により食欲不振,嘔気,筋肉痛,軽度白血球減少がみとめられたが重篤な副作用はみられなかった.HBe抗原消失の面から考えて,ステロイド-Ara-A併用療法は,HBe抗原陽性慢性肝疾患の有効な治療法である可能性が示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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横須賀 収
千葉大学医学部
-
小俣 政男
千葉大学医学部第一内科学教室
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横須賀 収
千葉大学医学部附属病院消化器内科
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五十嵐 正彦
国立習志野
-
奥田 邦雄
千葉大学医学部第1内科
-
伊藤 よしみ
千葉大学医学部第1内科学教室
-
内海 勝夫
千葉大学医学部第1内科学教室
-
森 順子
千葉大学医学部第1内科学教室
-
横須賀 収
千葉大学医学部第1内科
-
内海 勝夫
千葉大学医学部第1内科
-
小俣 政男
千葉大学医学部第1内科
-
伊藤 よしみ
千葉大学医学部第1内科
-
森 順子
千葉大学医学部第1内科
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奥田 邦雄
千葉大学医学部 第一内科
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