ニワトリ腎臓Ornithine transcarbamylaseの成長に伴う変動
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概要
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著者はニワトリの腎臓に若干存在する尿素合成系酵素のうちの一つであるOrnithin transcarbamylase (OTC)活性の品種間における差異を検討し, White Leghorn種〈WL〉の一系統の腎臓にきわめて強い活性の酵素を発見した.そこで,この活性の強い腎臓OTCを主としてその成長に伴う変動について検討した.供試したニワトリ品種は前報におけると同様,WL-A系とWL-B系の2系統で,前者はOTC活性が低く,後者には低活性と高活性のOTCをそれぞれ有する個体が共存している.WL-A系ではふ化前〈18日目〉の胚から30日令のヒナについて,WL-B系では胚から120日令までのヒナについて検討した.低い活性を有するWL-A系では大多数の個体が10Unit以下で,その比率は2日令のヒナと胚で62%と74%であった.この比率はその後増加し,30日令のヒナでは95%以上となった.全体としては2日令における本酵素の活性が最も高く,その後低下した,WL-B系の低活性の個体群の成長に伴う変動は顕著でないが,高い活性を有する個体群ではWL-A系と同様に2日令のヒナでその活性が最も高く,以後徐々に低下した.本酵素の活性は性による差が若干みとめられ,雌の活性がやや高い傾向が認められた.またWL-B系における高活性群と低活性群の出現比率はヒナの日令と関係なく一定の傾向がみとめられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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