乳酸脱水素酵素アイソザイムcDNAによるブタの制限酵素断片長多型(RFLPs)
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概要
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ブタ乳酸脱水素酵素(LDH)の2種類のアイソザイム(LDH-AとLDH-B)のそれぞれのcDNAがブタゲノムDNAの制限酵素断片長多型(RFLPs)検出のための有効なプローブとなり得るか否かを調べた.5種類の制限酵素(Bam HI, Msp I, Pst I, Hae III, Eco RI)で切断したときいずれのプローブを用いても変異が検出された.金華豚と梅山豚の交雑によって得た一家系の親子のそれぞれのDNAをMsp Iで切断して得たRFLPsにっいて分析した結果,LDH-Aで13本,LDH-Bで9本のフラグメントが検出できた.その内,変異を示したのはLDH-Aで9本,LDH-Bで4本であった.また,両親のどちらか一方のみに認められたフラグメントはLDH-Aで6本,LDH-Bで3本,計9本で,その遺伝様相はすべての子豚に遺伝するもの,一部の子豚に遺伝するものとに区分され,前者は親豚でホモの,後者はヘテロ型の状態であったと推定できた.その結果,これら9本のフラグメントは親子鑑定へ利用が可能であった.次に,制限酵素Msp IでブタゲノムDNAを切断し,LDHアイソザイムのcDNAをプローブに用いたRFLPsとM13ファージ反復配列をプローブに用いたDNAフィンガープリント(DFP)の親子鑑定への応用の際の有効性を比較した.DFPでは両親のいずれか一方に存在するフラグメントが7本あり,これらは親子鑑定に利用可能であった.一方,LDHアイソザイムの各cDNAをプローブにして検出されるRFLPsではそれ以上のフラグメントが利用可能で,DFPと比べて親子鑑定の有効性にそん色の無いことが示された.以上の結果から,LDH-AとLDH-Bの両アイソザイムのcDNAをプローブに用いて検出されるRFLPsはブタの個体識別や親子鑑定の際の有効な遺伝的マーカーとなり得ることが判明した.
著者
-
後藤 信男
日本実験動物協会
-
辻 荘一
神戸大学農学部
-
大石 孝雄
農林水産省畜産試験場
-
楠 比呂志
神戸大学農学部附属農場
-
後藤 信男
農林水産省家畜衛生試験場
-
万年 英之
神戸大学自然科学研究科
-
後藤 信男
神戸大学農学部
-
後藤 信男
福島県立会津短期大学
-
楠 比呂志
神戸大学農学部動物多様性教室
-
福田 智一
神戸大学農学部
-
LI Steven
神戸大学自然科学研究科
-
楠 比呂志
神戸大学農学部
-
後藤 信男
農林省家畜衛生試験場実験動物研究室
-
後藤 信男
農林水産省家畜衛生試験場実験動物研究室
-
大石 孝雄
農林水産省中国農業試験場畜産部
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