鶏肉の粘弾性に関する官能評価ならびにこれと応力緩和試験成績との関係
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概要
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本報告は官能検査法を用いて,鶏胸肉と腿肉とにおけるかたさ•柔らかさ特性(粘弾性)の比較を行なうとともに,週齢の違いや飼料へ添加された脂質(大豆白絞油)量の差異がこの特性におよぼす影響を調べ,あわせて官能検査による評価と応力緩和試験から得られた粘弾性成績との関係を検討したものである.供試鶏は,Cornish(♂)×White Rock(♀)-F1の雌,54羽である.これらの鶏は3群に分けられ,それぞれ脂質添加量が0%(対照),5%および10%の実験飼料で飼育された.供試部位は胸肉(M. pectoralis profundus)と腿肉(M. iliotibialis)であり,各群とも10,20および34週齢に屠殺して採取された.これらの供試肉はポリエチレン製の袋に密封され,0〜6ヵ月間-10°Cで凍結保存された.自然解凍させた供試肉を1×1cm2,厚さ0.5cmに整形した後,電子レンジで35秒間加熱して試食肉とした.官能検査は構成員5名のパネルによって,TS(テンダーネス•スコア),CB(咀しゃく始めより飲み込み開始時点までの咀しゃく回数)およびCE(咀しゃく始めから飲み込み完了時点までの咀しゃく回数)について評価した.応力緩和試験では同じ供試肉で生のものを用いたが,その結果は前報に記してある.応力緩和試験から得られるパラメータはFmax,τおよびs/f0である.結果は次の通りである.1) 10週齢のばあいを除けば,胸肉に関する各官能評価値は腿肉のそれらよりも概して小さく,胸肉の方が腿肉よりも官能的にみて柔らかいと思われた.2) 34週齢において,脂質添加飼料での胸肉は無添加飼料による胸肉よりもTSが小であり(P<0.05),官能的にみてより柔らかなものと思われた.3) 官能検査による評価項目(パネル•スコア)と応力緩和試験から得られたパラメータとの間には,高い相関関係は認められなかったが,前者でのCEと後者のFmaとの間に比較的高い正の相関係数が得られ,Fmaxによって官能検査の結果を推定し得ることが示唆された.
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