フリーク法によるサイレージの有機酸分析法の検討

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1.サイレージに含まれる有機酸,すなわち乳酸および炭素数6コまでの揮発性脂肪酸(VFA)をフリークの蒸留法によって分析し,その結果を検討した。また,各種サイレージの抽出液の有機酸組成を,ガスクロマトグラフィ・比色法(G.C.法)とフリークの蒸留法でそれぞれ定量して比較し,フリークの評価法に当てはあて評点の比較を行なった。2.フリーク蒸留法によれば,乳酸,酢酸,酪酸の各標準液を試料とした場合には,それぞれ乳酸,酢酸,酪酸として定量されたが,乳酸の回収率は若干高かった。プロピオン酸は酢酸と酪酸にほぼ二分して定量された。イソ酪酸およびC_5,C_6のVFAでは,フリーク蒸留法による酪酸値がきわめて多くなり,乳酸として若干の値を示し,酢酸に負の値を与えた。3.有機酸を混合してフリーク蒸留法によって定量した場合には,各有機酸はそれぞれ単独で蒸留した場合と同様の割合で留出した。4.したがって,炭素数の多いVFAを多く含むサインージをフリークの蒸留法で分析すると,"酪酸"の値はC_4以上のVFAの総和よりも多く,また,"乳酸"の値は真の数値より多くなった。5.G.C.法によるプロピオン酸を"酢酸"に含め,C_4以上のVFAを"酪酸"に含めて,フリークの評価法によって評点を与えると,高品質の場合にはフリークの蒸留法にもとづく値と合致し,低品質の場合には,G.C.法による値を基礎とした方がやや低い点を示す傾向があったが,両者はきわめて高い相関を示した。おわりに,ガスクロマトグラフィによる有機酸の定量について助言と協力をいただいた柾木茂彦技官に深謝いたします。
1972-12-25

フリーク法によるサイレージの有機酸分析法の検討

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