ループス腎症と沈降性DNA抗体

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概要

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SLE患者55例を対象として,血清中の沈降性二本鎖DNA抗体をCIE法で測定し,治療反応態度を含めたループス腎症の臨床像,その他の免疫学的検査成績,および腎病理所見との関連性を検討し,本抗体の臨床的意義を解明することを目的とした。沈降性二本鎖DNA抗体は,Farr法によるDNA抗体と比べ感度の点で劣るが,特異性の点で優れていた。沈降性二本鎖DNA抗体陽性例の84.6%の腎組織像はDPGN型を呈したが,Mem.型では全例本抗体が陰性であったことから,本抗体がSLEの病態形成に関与する可能性が示唆された。また,本抗体陽性ループス腎症は,ステロイド剤による反応度が,陰性群と比較して悪いことを明らかにした。従って,診療上,本抗体の測定はループス腎症の治療方針決定および予後推測に役立つものと考えられた。
北里大学の論文
1980-02-29

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