抗nRNP抗体陽性患者の臨床免疫学的研究
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概要
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結合組織疾患における抗nRNP抗体の臨床的意義を明確にするため,本抗体陽性の213例について,抗nRNP抗体価および他の抗核抗体との関連から臨床像を解析した。本抗体陽性患者は,疾患単位を越えてレイノー現象,多関節炎,手指硬化症,swollen hand,白血球減少,高γ-グロブリン血症が高率に認められた。腎障害は約1/3にみられたが,腎不全にまで陥ったのは3例にすぎなかった。三叉神経障害と肺高血圧症は,本抗体陽性患者に特異的に認められた。結合組織疾患の各診断基準の合致率では,SLEが疑診を含め63.8%を占め,重複症例は約1/4にみられた。抗nRNP抗体価が高値であるほど重複例が多く,逆に低いほどSLE固有の症状を多く有していた。抗nRNP抗体単独高値群では有意に腎,中枢神経障害が低率であった。本抗体高値例の死因として肺高血圧症が高率に認められた。以上より,抗nRNP抗体単独高値例は,Sharpらの提唱したMCTDに最も近いグループといえた。
- 北里大学の論文
- 1988-08-31
著者
-
近藤 啓文
北里大学医学部膠原病内科
-
柏崎 禎夫
北里大学医学部・内科学
-
柏崎 禎夫
元東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター所長
-
福井 光文
福井クリニック
-
近藤 啓文
北里大学医学部内科学教室
-
福井 光文
北里大学医学部・内科学
-
近藤 啓文
北里大学医学部内科
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