滑膜細胞のIL-8産生に対する各種抗リウマチ薬の影響

概要

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Interleukin 8 (IL-8) は,単球,線維芽細胞,血管内皮細胞などが産生する好中球遊走因子である。私共は,慢性関節リウマチの関節炎局所への好中球浸潤に,IL-8が関与していることを報告してきた。慢性関節リウマチには,種々の抗リウマチ薬が用いられている。そこで,滑膜細胞の IL-8 産生に対する各種抗リウマチ薬の影響について検討した。Prednisolone (PSL) は,薬理量の範囲内において有意に IL-1 や TNF 刺激による IL-8 産生を抑制した。一方,他の抗リウマチ薬,indomethacin,methotrexate (MTX),salazosulfapyridine (SASP),D-penicillamine (D-Pc),bucillamine,gold sodium thiomalate (GST) では滑膜細胞の IL-8 産生に影響を与えなかった。これらの事実から,RA 治療における PSL の抗炎症作用の一部は IL-8 の産生抑制によるものではないかと推測された。
北里大学の論文
1992-10-31