SLEおよびRA患者における末梢血T細胞表面マーカーの異常

概要

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末梢血に出現する活性化T細胞は,SLEおよびRA患者の自己抗体産生に重要な役割を果している可能性が推測されている。モノクローナル抗体を用いた OX-RBC 間接ロセット法でT細胞表面の Class II 抗原に属する L243とLeu10 および IL-2 レセプター(IL-2R)陽性T細胞を測定し以下の結果を得た。1) SLE 患者末梢血リンパ球では健常人に比し L243, Leu10,IL-2R保有T細胞数がいずれも有意に増加し,RA患者でも,L243保有T細胞数が有意に増加していた。すなわち,活性化T細胞が末梢血で増加することを証明した。2) SLEでは, L243およびLeu10のIa抗原陽性T細胞数は,活動性の有無で差が認められなかったが,IL-2R陽性T細胞数は活動期に比べ,非活動期に有意に増加することを明らかにした。3) RAでは,三者のマーカー保有T細胞間には有意の正の相間が認められたが,このマーカー陽性T細胞数の増加と RA の臨床症状との間には明らかな相関関係は認められなかった。これらのモノクロナール抗体を用いた末梢血T細胞亜分画の測定は,SLEおよびRAの免疫異常の解析に有用であると考えられた。
北里大学の論文
1986-02-28