齢及び系統の異なるメヒシバのpropanil抵抗性機構
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概要
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齢及び系統の異なるメヒシバに対するpropanilの影響を調べ、その感応性差機構としてpropani1の吸収及び加水分解について検討した。 日本各地から収集したメヒシバ(Digitaria (RETZ.) KOELER)の4葉期にスタム乳剤を散布したところ、全てのメヒシバが3,000 ppm処理区で完全に枯死した。1,000 ppm処理区でも著しい影響を受けたが、そのほとんどが回復した(Tab1e 1)。系統の異なるメヒシバの間でpropanil感応性に大きな差異は見出されなかった。次にpropanil感応性の齢による差異を調べたところ、メヒシバにスタム乳剤を散布した結果3葉期の植物では1,000ppmでも著しい影響を受けたが、6葉期の植物ではLD_50が3,000ppm程度であった(Fig.1)。 Propanilを各植物の茎葉に浸漬処理したところ、メヒシバとタイヌビエ(Echinochloa oryzicola VASING.)では6葉期になると、proranilに対して抵抗性を示してくることが明らかとなった。イネ( Oryza sativa L. cv. Nihonbare)は供試したどの葉期でもpropanilに対して抵抗性を有した(Fig.2)。 一方propanilの植物体内挙動についても調査した。各植物の6葉期の茎葉から抽出した粗酵素液を用いてpropanilの加水分解活性を見ると、メヒシバ及ぴタイヌビエでは茎葉のどの部位においてもその活性が検出されなかった。イネではその活性が認められ、茎において葉の2倍の活性を示した(Fig.3)。次に茎葉からの ^14℃一propanilの吸収を乾物重当りでみると、各植物ともに3葉期で6葉期よりも多く吸収しており、その程度はメヒシバにおいて著しく顕著であった。また部位別の葉中濃度は下位葉身、上位葉身及び茎と葉鞘の順で高く、その傾向はpropanilの可視障害程度と相応していた(Fig.4)。 以上のことから、メヒシバのpropanilに対する感応性は系統間で大きな差はないが、齢が進むにつれて抵抗性を示し、その抵抗性はpropanil加水分解能によるものでなく、茎葉からの吸収量が著しく少ないことによることが示唆された。
- 日本雑草学会の論文
- 1986-05-26
著者
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