プレチラクロールの選択性機構に関する研究 : 2.プレチラクロールの吸収,移行および代謝

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イネ科植物4種類と水田の多年生雑草2種類を用いて,プレチラクロールの吸収,移行,代謝とプレチラクロールの選択性との関連性を調べた。プレチラロールはこれらの植物の発芽には影響がなく生育阻害を起こすが、その程度はイネ科植物ではタイヌビエ (Echinochloa oryzicola VASING.) とシコクビエ (Eluesine coracana GAERTN.) がイネ (Oryza sativa L. cv. Nibonbare) およびトウモロコシ (Zea mays L. cv. honeybantam) よりも大きかった。多年生雑草のウリカワ (Sagittaria pygmaea MIQ.) はミズガヤツリ (Cyperus serotinus ROTTB.) よりもプレチラクロールに対し抵抗性を示した。また,イネ科植物では種子処理が3週苗処理より,多年生雑草では3週苗処理の方が塊茎処理よりも感受性を示した (Fig. 1, 2)。^<14>C-プレチラクロールの植物体内への吸収量は4日苗,3週苗ともにイネとタイヌビエがトウモロコシとシコクビエより多かった (Fig. 3, 4)。多年生雑草はイネ科植物よりも^<14>C-プレチラクロールの吸収量が少なかった。根部から植物体内へ吸収された^<14>C-プレチラクロールは容易に地上部に移行し全植物体内に一様に分布した (Fig. 5)。植物体内の^<14>C-プレチラクロールは抵抗性植物,感受性植物ともに2時間以内にその60%以上が水溶性の化合物に代謝された (Fig. 6, 7)。イネ科植物におけるその代謝活性は4日苗,3週苗ともに抵抗性のトウモロコシとイネが感受性のタイヌビエとシコクビエよりも高く,プレチラクロールの選択性はプレチラクロールのグルタチオン-S-トランフェラーゼ(GST) によって水溶性の抱合体になる代謝活性と関連性のあることが示唆された。また,GST活性の比較的低い多年生雑草体内で水溶性化合物への代謝速度が大きいことが認められた。
1990-10-30

プレチラクロールの選択性機構に関する研究 : 2.プレチラクロールの吸収,移行および代謝

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