ベンスルフランメチル抵抗性ニンジン細胞のアセトラクテート合成酵素
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概要
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10^<-8>Mベンスルフロンメチル(BSM)抵抗性ニンジン細胞のアセトラクテート合成酸素(ALS)の活性を通常細胞と比較した。細胞は,2,4-Dを1mg/l含むLS培地で懸濁培養し,約2年間1週間ごとに植え継いだ。対数増殖期(植え継ぎ後4日目)の細胞よりALSを抽出し,pH,ピルビン酸濃度およびBSM濃度を変えて活性を測定した。活性は,生じたアセトラクテートを硫酸で脱炭酸しアセトインに変え比色定量したが,脱炭酸しないブランクにも相当量のアセトインが検出された(第1,2図)。このブランクの値は,pH7.5以下では脱炭酸した値(全活性)の約1/2以上を占めたが、高いpHでは低い値を示した。また、この値は,ピルビン酸濃度に依存して増加し高濃度のBSMで阻害されなかったので,ピルビン酸よりアセトラクテートを経ないアセトイン生成によるものと考えられた。そこで,脱炭酸した値から脱炭酸しないブランクの値を差し引いたものがより正確なALS活性を示すと考えられた。その結果,通常,抵抗性細胞とも,ALSの至適pHは8.5付近,飽和ピルビン酸濃度は約40mM,見掛けのKmは5〜6mMであった(第1,2図)。BSMによるALS阻害は,抵抗性細胞(I_<50>6×10^<-7>M)が通常細胞(I_<50>1×10^<-8>M)より小さく,約60倍の差があった(第3図)。この抵抗性細胞の値は既に発表されたもの(5.2×10^<-8>M)より約10倍大きく,長期期間培養中にALSの不感受性化が進んだ可能性も考えられる。
- 1992-12-24
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