ブレチラクロールとフェンクロリムの混合処理によるイネにおけるグルタチオンS-トランスフェラーゼアイソザイムの誘導
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概要
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無処理及びプレチラクロールとフェンクロリムの混合液を24時間処理した黄化イネの茎葉部におけるCDNB, フェンクロリム, プレチラクロールをそれぞれ基質とするGST_<CDNB)>, GST_<(fen)>及びGST_<(pret)>アイソザイムについて, DEAE-Sephacel カラムの分離パターンにより検討した。無処理区のイネ茎葉部から抽出したGSTには, 2つのGST_<(CDNB)>, 2つのGST_<(fen)>及び4つのGST_<(pret)>アイソザイムがあると推定される(Fig. 2)。これらのアイソザイムの活性及び溶離パタンが異なったことから, CDNB, フェンクロリム, プレチラクロールに対する基質特異性の異なるGSTの存在が確認された。プレチラクロールとフェンクロリムを混合処理したイネにおいて(Fig. 3), CDNBを基質とした場合, 本来から存在したピークII, IIIの2つのアイソザイムの活性が2倍近く増加し, GST_<(CDNB)>の誘導が見られた。フェンクロリムを基質とした場合にも, もともと存在したピークIV, VIの活性が増加し, また, ピークIX, Xが新たに誘導され, 二つのGST_<(fen)>アイソザイムが誘導されたと考えられる。プレチラクロールを基質とした場合は, もともとピークI, V, VII, VIIIの活性が増加し, またピークXIが新たに誘導され, 1つ新しいGST_<(pret)>アイソザイムが誘導されたと見られる。これらの結果から, イネにおけるGSTには, プレチラクロール, フェンクロリム, CDNBに対し, 基質特異性の高い数種のアイソザイムが存在することが確認された。また, イネのプレチラクロールに対する抵抗性及びフェンクロリムの薬害軽減効果は, GST活性及びその誘導と深く関連していることが示唆される。
- 1997-11-25
著者
-
臼井 健二
筑波大学応用生物化学系
-
沈 利星
筑波大
-
沈 利星
筑波大学応用生物化学系
-
〓 凡
農林水産省・農業研究センター
-
〓 凡
筑波大学応用生物化学系
-
長尾 明子
筑波大・応用生化
-
長尾 明子
筑波大学応用生物化学系
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