フーリエ級数を利用した皮膚の複素インピーダンス軌跡の測定

概要

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皮膚の複素インピーダンス軌跡の高時間分解測定は, ストレスや鍼刺激の効果を評価する際に有用である.これまで, ステップ応答を利用してインピーダンス軌跡を高時間分解能で測定できる方法が山本らによって考案されている.しかし, その測定方法は, 高周波領域での測定精度が悪い, 時間分解能が測定対象の時定数に依存するなどの問題点があった.筆者らは, この問題点を解決するため, フーリエ級数を利用した新しい皮膚の複素インピーダンス軌跡の測定方法を考案した.本稿では, 考案した測定方法の有効性を確認するために, 実際の測定を想定した数値シミュレーションと皮膚インピーダンスを模擬した既知のインピーダンスの測定を行なった.その結果, 本方法は, これまでと同程度の時間分解能を有し, かつ, 10Hz〜1kHzにおいて測定誤差が2%未満であり, 高周波領域においても十分な測定精度を有することが確認された.さらに, 考案した方法の適用例として, 皮膚の複素インピーダンス軌跡の経時変化を測定する実験を行なった.
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-11-22