漢字データベースの構築と利用 : SVGを用いるマルチメディア型検索表示システム(<特集> 遠隔教育/一般)

概要

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日本語教育では,漢字学習が重要なポイントになる.漢字は,字形,部首,音訓の読み,筆順,起源など,複雑で奥深い情報を持っている.漢字の多様な側面を捉えた日本語教育システムを開発するには,マルチメディア情報を含む漢字データベースが必要となる.本論では,汎用のマルチメディア漢字データベースをXML上で構築する.特に,字形素と配置コードからなる字形構造を定義して,漢字の図形的側面を適切に捉える.また,データベースを中核とする漢字学習システムの4層構造を提唱する.このモデルに基づき,応用アプリケーションとして,マルチメディア型の漢字検索表示システムを開発する.このシステムでは,字形構造の検索キーとの照合により,字形の部分要素を含む多様なキーワードによる検索が行える.また,手書き文字データに文字装飾を施した教材文字をSVGデータとして生成し,学習目的に応じたマルチメディア表示が行える.例えば,字形の部分要素の強調,部首の明示,筆順のアニメーションなどがある.これらの機能により,漢字の字形の理解や書き方学習などを効果的に支援する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-02-27